皆様こんにちは
一度は手にしたことのある糸切ばさみ。
先日、はさみの種類を調べている時、面白い発見がありました。
手芸屋さんでよく見かけるU字型の糸切ばさみ(握り鋏)、
これは日本以外ではほとんど使われていないそうです。
他では私たちも普段の生活でよく使うX型の洋ばさみ。
日本に現存する最古の握り鋏は鎌倉時代に北条政子がなんと
化粧道具として使っていたもので、
鎌倉の鶴ヶ岡八幡宮に残っているそうです。
その握り鋏には刃の部分に菊花模様が彫られていて、
髪を整え、元結を切ることなどに使ったのだそう。
ハサミの歴史はとても古くて、紀元前1,500年頃には既に存在し、
古代ギリシア時代に作られたとされるハサミが現存する
最古のハサミとされています。
このハサミは、U字型の握り鋏と同じ形をしていて、
主に羊毛を刈る時に使われていたと考えられています。
実際、U字型鋏は映画のフィルム編集のカットで使用されたりと多様なようです。
固いものを切るためにはX型の洋ばさみの方が力強いですが、
細かい仕事には握り鋏が使いやすく、
縫製や刺繍などには欠かせない道具になります。
クチュリエールはそれぞれ自分に対して相性の良い握り鋏を一つ、
ずっと使い続けています。
その一つを長く使っていると、私の感覚ですが
どんどん自分の手の形に馴染んでいき、
手と鋏の空間がなくなります。
そうして揃った自分だけの裁縫道具一つ一つが、
ぶれない手先を作り上げてくれます。
私たちクチュリエールはその姿をカタチにして日々届けてまいります。